前半はベアリングについての話です。交換は後半にあります
ベアリングって何?
ベアリングとは回転運動などをする部分に使うクルクル回る部品です。
少し前に流行ったハンドスピナーを想像してもらえばわかりやすいと思います
ベアリング、日本語では 軸受 というらしいです
ローラータイプのすべり台とケツの関係で考えてみましょう
ローラーの付いて無い普通のすべり台で、ずっとすべっているとケツが熱くなったり、ズボンが破れてしまいます。
もし回転部分にベアリングが無かったらこれと同じ事がおきて、摩擦による熱で変形や劣化、破損にもつながります。それを防ぐためにベアリングが存在します。
ベアリングの中には数個のボールが入っていてクルクル回るようになっているのです。
ベアリングがあるからといって全く熱や摩耗がないわけではありませんが、直で摩擦するに事に比べたら大幅に少ないです。
そんなベアリング、いろんな所でがんばっています。車やバイクなら1台でかなりの数のベアリングが使われています。
例えば魚釣りに使うリール
僕のような庶民がつかうリールのベアリングの数は2~3個位ですが
セレブが使うリールには10個近いベアリングが使用されています。
ベアリングの種類

純正や専用になると高くなるうえに、1台のスケボーで8個・ブレボーで4個のベアリングが使われているのでかなりの出費になります。
工業用ベアリングなら1個100円前後からあります。
そうです。ドケチな僕は飛びつきました
で選んでいくと・・・なにこれ?種類多すぎ。あんな小さな部品にこれほどの種類があるとは・・・びっくりしました。簡単に述べると
サイズ
まず最初、ベアリング自体のサイズです。これが違うとそもそも付ける事すらできませんね
スケボー、ブレボーは608ベアリング(内径8mm 外径22mm 幅7mm)が多いですが、購入前に確認しましょう
規格
日本規格とアメリカ規格があります。
日本規格
JIS0、JIS6、JIS5、JIS4、JIS2
アメリカ規格
ABEC1、ABEC3、ABEC5、ABEC7、ABEC9
とあり、右にいくほど軸受の差、つまり回転精度が高くなります
材質
本体、ボール、シールド、リテーナーにそれぞれ分かれていて
素材は、樹脂(プラスチック)、高炭素クロム鋼、ステンレスなど
シールド
シールドとはベアリング側面のカバーの事で、両面シールド・片面シールド・シールドの無いタイプがあり
そのシールドそのものを外せるのと外せないのがあります。
外せるタイプなら洗浄やグリスアップすることができます。
これらは品番の後ろの【 Z 】の数でわかります。608ZZ(両面シールド) 608Z(片面シールド)となります
グリス・オイルとその他
最初に塗られているグリスやオイルの種類にも違いがあるようです。他にも基本定格荷重やボールの数など、もう嫌になるほどの種類です
これらのことからスケボー専用ベアリングにはそれ用の材質やグリスが使われていて、
リール用も同じく用途に適した(塩水に強いなど)のを使っていると思われます
中には専用と謳った粗悪品もあるかもしれませんが
つまり、そこそこ有名なメーカー、ブランドの専用品を買ったほうがいいのではないか
そんな風に考えたのはポチッた後でした
ベアリング単体を指で弾いてクルクル回るのと、実際に荷重がかかった時の回り方は違うはずです。
さらにはスケボーだと片輪走行(僕はできません)やウイリー(僕はできません)やジャンプ(もちろんできません)したりするので、専用品はその辺りも考慮されているのかもしれません
話が長くなりましたが、そろそろ本題へ
スケボーのベアリング交換
自分での交換は自己責任です。少しでも不安な方は専門店に交換してもらいましょう。
ウィール(タイヤ)を外す
まずウィール(タイヤ)の横のナットを外します。これは13mmでした。このときタイヤの両方にワッシャーがあるので無くさないようにして下さい
「ナット」「ワッシャー」「ウィール」「ワッシャー」「本体」の順に付いています。
ベアリングを外す
ウィールが外れたら次はベアリングを外します。ベアリングはウィールの両面からはめ込んでいます。このように棒を入れるかスケボーのシャフトをテコの原理のようにしてこじっていくと少しずつ外れてきます(僕はウィールの端を両足の親指で押さえてベアリングの幅の半分位まで入れて斜めに棒を倒すような感じでやっています)
こじって少し浮いたら回して場所変え、またこじって浮いたら場所を変え。これを繰り返していくと外れます(ベアリングとベアリングの間にスペーサーがあるのでこれも無くさないように)


ベアリングをはめ込む
交換したのはNSKの608ZZ [税込み約120円]インドネシア製造です
古いベアリングを外したらウィールの中を掃除してベアリングをはめていきましょう。ウィールとベアリングが斜めにならないように体重をかけて真っ直ぐに押し込んでいきます。(斜めになった場合、ムリに押し込まずに1度外しましょう)
反対側も同じですが間にスペーサーを入れるのを忘れずに
入らない時はあて木などをしてゴムハンマーで軽く叩き込むといいです。
直で金属製ハンマーで叩いたらベアリング本体やシールドが曲がってしまうので絶対やめましょう
ウィールの取り付け
後はワッシャー、ウィール、ワッシャー、ナットの順で取り付けナットを締めこんでいきます。最後にお好みにナットを緩めて完成です。(緩めすぎは走行中に外れる事があるので気を付けましょう)
ブレボーのベアリング交換
こちらも同じく自分での交換は自己責任です。少しでも不安な方は専門店に交換してもらいましょう。
ウィールを外す
スケボーとは違い、両側から5mmの六角レンチで外します。かなり固くとまっていました。
少しややこしですが「ボルト」「本体」「スペーサー」「ウィール」「スペーサー」「本体」「ボルト」の順でとまっています。これらも無くさないようにしましょう。
ベアリングを外す
ウィールの形が違うだけでスケボーの時と同じく少しずつこじっていけば外れます。

ベアリングをはめ込む
取り付けも同じです。こちらも中にスペーサーがあるので忘れないように。
NSKの608ーHーZZ[税込み約250円]ちょっとリッチにステンレスのやつ(良いのか悪いいのかは分かりません)。日本製です。めいどいんじゃぱ~んです
ウィールの取り付け
ついてあった順に取り付けるだけですが、ウィールのベアリング中にあるスペーサーがずれてボルトが通らないことがあります。ウィールを何度か回してやればスペーサーの位置がかわりスポッと入ります。
結果は?
最初についていたベアリングですがスケボーは(セットになっている入門用のやつ)でABEC5が、ブレボー(リップスティックデラックス)でABEC7がついていました。
取り外しができないタイプのシールドだったのでムリヤリこじ開けてみました(再利用はできません)。指で回そうとするとジャリジャリいいながら止まります。バラして掃除して組み立ててオイル塗ってみたらシャーシャー回りました。
もともとのグリスと削れた鉄粉が抵抗になっていたのでしょう。(もちろんシールドとリテーナーをムリヤリ外して曲がっているのでくどいようですが再利用はできません)ハンドスピナーがわりです。
さて工業用のベアリングに交換したスケボーとブレボー。どうなったかというと・・・クルクル回ります。まるで新品です。
ただし問題が。そうです新品の工業用ベアリングと、かなり酷使した純正ベアリングを比べても比較になりません。
僕のような遊び程度の初心者なら工業用ベアリングでも問題なく使えました。ただし初心者でもこれから上を目指している方や上級者は専用ベアリングのほうがいいかもしれません。
耐久性はまだ取り付けたばかりですので不明です、もし早めに破損等があれば追記します。

ところでローラーのすべり台、あれなんですべった後ケツが痒くなるんやろ?